Move Zero (Vol 3) by John Bannon and Big Blind Media

Move Zero (Vol 3) by ジョン・バノンの感想、レビュー

ジョンバノンさんのセルフワーキングの作品を集めたDVDのボリューム3です。
ボリューム1、2はすでに見ているので3つ目になります。

Move Zero (Vol 3) by John Bannon and Big Blind Media

Vol4まで出ています。もとは「Destination Zero by John Bannon (Book) 」と「Mentalissimo by John Bannon」と言う本です。

今、4巻セットが安く売ってますね。
Move Zero (4 Volume Set) by John Bannon and Big Blind Media – DVD $59.99

その他のレビューはこちら

MOVE ZERO VOLUME 3の内容

The 32nd Sense
Trickbag – Automatic Placement
Mousetrap
Candy Crush
Trickbag – Prophesy Move
Poker Pairadox
Origami Poker
Trickbag – The Parity Principle
Origami Prediction
Big Bad Add
Trickbag – Vertical Addition
Cross Purposes
Box of Doom
Trickbag – The Einstein Tautology

太字が作品でTrickbagというのがテクニックなどの解説です。

作品の感想など

The 32nd Sense

シャフルしたデックから客が何枚かカードをとり枚数を数えたらカードボックスにしまう。
次に1枚ずつ見せていきその枚数目のカードを覚えてもらう。
次にイギリスのポンド紙幣を取り出してその数分を配っていくと客のカードが現れる。

なぜポンドかと言うと2ポンドコインがあるからなんですね。
一度失敗したと見せかけてちゃんと当たります。
32枚を配ると自動的に客の覚えたカードが出てくる(Automatic Placement principle)わけですがポンド紙幣を使うところがうまい演出です。ただカードを数えるだけの退屈なところがなにか意味のある動作に変わります。

ちなみにポンドを使わない手順も解説してます。その方法で日本円でやってもいいでしょう。

Mousetrap

シャッフルされたデックからカードを何枚か引いてもらい数えてカードボックスにしまう。
残りのデックを数えながら見せていき数えた枚数目のカードを覚えてもらう。
最初から出ていた2枚の黒いQで見つけ出すと言ってデックの中に黒いQを表向きで入れて上と下のカードを同時に配っていく。
すると1枚のカードが2枚のQに挟まれて出てくる。そのカードが客のカード。


上の作品と原理は同じ。
このシャフルはクロンダイクシャッフル(Klondike Shuffle)またはミルクシャフル(Milk Shuffle)と言うそうです。
以前の作品でフェローシャフルをすると2枚のカードに挟まれるという作品があったと思うのですがこれはそれを簡単な手順にしています。

Candy Crush

客にデックに名刺を挿してもらい裏を見るとバリューとスーツの矢印が書いてあり両隣のカードのバリューとスーツを見て1枚のカードを決める。そのカードのスペルを言いながら配るとそのカードが現れる。両隣のカードはバリューとスーツを逆にすることも可能。

名刺を挿し込んで両隣のカードを決める時に「プロフェシー ムーブ / Prophecy Move」を使う。

Poker Pairadox

テキサスホールデムポーカーでハイカードのペアーが来ると強いという話から入ります。
JからAまでの4つの数字、4種類で16枚のカードがあります。2枚ずつ配っていくがペアーのカードはない。客にカードを一枚選んでもらっておまじないをかけるとすべてのカードがペアーになる。

客に1枚カードを選んで貰ってひっくり返す時に「プロフェシー ムーブ / Prophecy Move」を使う。

感想
簡単でいいですね。事前にセットをしておけば客にリフルシャフルをしてもらうことも出来る。リフルシャフルは最初にマジシャンがやってその後客に演らせれば2回出来るからかなり混ぜた説得力はある。
その場でセットしてもそれほど問題ないと思うので即興でやってもいいと思う。レパトリー入りです。

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P192

Origami Poker

12枚のハイカード(10、絵札、A)をシャッフルして更に裏と表でシャフルして客にもシャフルしてもらう。そしてさらに裏表にしてから4列3行に配っていき客の指示どおりに1列、1行ずつ折りたたんでいく。折りたたんだ後に広げると5枚のカードが表向きになっていてそれがロイヤル・ストレート・フラッシュになっている。

感想
今回5枚を最初からセットしているが、以前のペンギンライブではセットしないスラップ シャフル (スロップ シャフル)を使う方法もやっていた。これなら即興でも出来る。
ペンギンでは今回はやっていない「Cut And Turn two Over」もやってた。時間があるときはカットしてもらって2枚、カットしてもらって4枚を客の指示通りにひっくり返すのもやってもいいかな。
広げるスペースさえあればできる。ペンギンライブでは4×4の16枚でやっているけど12枚のほうがスペースが狭くすむからこちらのほうがやりやすいかな。
レパートリー入りです。

Origami Prediction

Origami Pokerのポーカー要素を外して裏表色等の予言にした作品。
16枚のカードシャフルしてオモテとウラに分けてのシャフルもする。客にもシャフルさせる。
テーブルに4×4でさらに裏表にして配っていく。
客の指示通り折りたたんでいき1つのパイルにする。
広げて1つ目の予言を見るとひっくり返っているカードの数が予言されている。
2つ目の予言で黒いカードの枚数が予言されている。
3つ目の予言で赤いカードのスーツ (マーク) が予言されている。
予言が外れたように見せて最後に当たっていたと言う演出。

この演出のマジックをいつもやろうと思うんですがそこで立ちはだかるのがセットをどうするかなんですがこれはとても簡単です。
その場ですぐにできちゃうところが凄いです。
それでいて忘れにくいでしょう。
このやり方だけだと予言の不思議感はは少し弱い感じもするのでさらにお客の指示でCATO Principle (Cut And Turn Over)をやるといいかもしれません。
もう1点、最初のひっくり返っているカードはどちらともとれるワードを使っています。通常はパケットの裏表の向きを気にする必要がありますがこれは無くてもいいような言葉を使っています。当然英語なので日本でやる場合はいい言葉に置き換えるか向きはどちらかだけにするかをしなければならないです。
クレジットは以下の2つ。
Ali Bongo & Aldo Columbini for the “multi-stage predicition with error correction”

Lennart Green Sweating Bullets

ちなみにRyan SchlutzDEGREES OF BOARD-DOMはバノンの作品の派生作品で今回とかなり近い演出ですが偶然なのか意識的なのかはわかりませんが実演で相手をしている女性の方は同一人物でした。

私はRyan SchlutzのDEGREES OF BOARD-DOMとバノンの作品を組み合わせてレパートリーに入れたいと思います。カード構成を少し変えてスラップ シャフルを入れて折り紙の代わりに時計回りと逆時計回りで配るのを入れることにしました。

Big Bad Add

2人の客のうち1人がデックをカットし8枚ずつ2つのパイルになるように配る。どちらのパイルにするか、順番を決めてもらう。
決めた順番でカードを1枚ずつ配りその順番で2桁の数字を作る。それを4回繰り返す。
出来た数字をスマートフォンの計算機で足し算する。
出てきた数字が封筒の中に入っている紙幣の金額と一致する。

今回予言の紙幣はジンバブエドルが使われていて500億 (50,000,000,000) ジンバブエドルなどが使われている。
最後は1枚足りずに封筒の裏を見るとと言う演出だが本ではドルを使い最後に封筒から1ドルコインが出てくるという演出。
ジンバブエドルを使う演出はとても成功しています。真似してみたいですが最後のオチは若干弱いですかね。
私がもしやるならドルを用意してやってみますかね。日本円の古い紙幣でやるのもいいかもしれません。
しかしジンバブエドルはとてもいい小道具ですね。お札のチェンジなんかで使ってもいいかもしれません。

これはやっている本人よりも周りで見ている人のほうが不思議に感じるかもしれない。8枚のカードから適当に4枚置いたので数字をフォース出来るはずがないと思うからだ。

セットはそれほど複雑でないから即興に近い感じで出来なくはないけどお札をどうしますか?無いときはiPhoneにでも書きますかね?

Cross Purposes

現象
2人の客にデックから適当な枚数のカードを持ち上げてもらい数えてもらう。
一人目の客に覚えた枚数目のカードを覚えてもらう。
2人目の客にはカードを配っていき覚えた枚数目のところでストップと言ってもらう。
ストップしたカードが1人目の客のカードである。

これは不思議な感じが少なく感じた。
なんとなくそうなるんじゃないのと言う感じがした。
もう一捻りしたほうがいいかも。

Box of Doom

客が配ったカードに関して3つのことが予言されていて客のカードのトップのカードがさらに予言されている?

私の理解力では最初の3つの予言がどうしてすごいのかがわからず。
後半の予言はまあそれなりに不思議に思われるかな?
ここで解説されている「The Einstein Tautology」というのを理解しようと頑張りましたが意味わかりませんでした。

Bullets After Dark The Einstein Overkill は同じ原理を使う。

総評

私は「Poker Pairadox」「Origami Poker」「Origami Prediction」が気に入りました。いつでもできるようにしておきたいですね。
パーラーでやる機会があれば「Big Bad Add」も演ってみたいなと思います。

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